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古今御朱印研究室

御府内八十八ヶ所

第14番
白鷺山 福蔵院
しらさぎざん ふくぞういん

福蔵院本堂
本 堂

白鷺山 正幡寺 福蔵院 (しらさぎざん しょうはんじ? ふくぞういん)
本尊 不動明王
創建年代 文亀・永正年間(1501〜21)?
開基 頼珍法印
宗派 真言宗豊山派
所在地 東京都中野区白鷺一丁目31−5 (Mapion/googlemap
御詠歌 常楽の岸にはいつか到らまし 弘誓の船に乗り遅れずば
メモ 西武新宿線鷺ノ宮駅のすぐ近く、妙正寺川のほとりの閑静な住宅街の中にある。隣接して鷺宮八幡神社があり、明治の神仏分離までは福蔵院が別当を務めていた。
開山の頼珍法印が大永元年(1521)に亡くなっていることから、『新編武蔵風土記稿』では文亀・永正(1501〜21)の頃の創建と推測している。
山門までは練り塀(瓦と土を交互に積み重ねた塀)が続くのだが、ところどころに丸瓦などを組み合わせて洒落た装飾になっている。山門をくぐると、広い境内には手入れの行き届いた緑であふれており、公園のような雰囲気である。
山門を入ってすぐのところに、十三仏の石仏がある。初七日から三十三回忌までを司る十三の仏様で、都内で十三仏が揃っているのは珍しいというのだが、それ以上に、その十三体がすべて立像であるというのがおもしろい。普通は坐像で作られる大日如来や弥勒菩薩も立像で、特に智拳印を組んだ大日如来は忍者のようである。
参拝時は改修工事の準備が始まったところのようで、工事関係者が本堂の周囲で作業をしていたため、写真を撮るタイミングが難しかった。納経は住職の奥様が対応してくださったのだが、十三仏のことなど、いろいろ親切に説明してくださった。人も境内も気持ちのよいお寺である。
写寺 盛寿山 常楽寺
八十八ヶ所大意 白鷺山 正幡寺 福蔵院 野方領鷺ノ宮
〈本尊〉不動尊 智証大師作
〈朱印地〉七石四斗余
〈開山〉頼鎮法印
多摩郡中野村宝仙寺末
参道と山門 馬頭観音像
参道と山門 馬頭観音像
十三仏石像 修行大師像
十三仏石像 修行大師像
福蔵院の納経印

中央の墨書は「本尊 不動明王」、脇に「弘法大師」。中央の朱印は不動明王の種字「カーン」、右上は「第十四番」、左下は「福蔵院印」。

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2009.06.17
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