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古今御朱印研究室

諸国神社御朱印集

日吉大社
ひよしたいしゃ

日吉大社山王鳥居
山王鳥居

日吉大社 (ひよしたいしゃ)
御祭神 大己貴神 大山咋神
鎮座地 滋賀県大津市坂本5-1-1 (Mapion/googlemap
社格等 式内社(名神大) 二十二社 旧官幣大社 近江国二宮 別表神社
公式サイト http://hiyoshitaisha.jp/

日吉大社の御由緒

比叡山の東の麓に鎮座する。全国に約3800社あるとされる日枝神社・日吉神社・山王神社等の総本宮である。

元は「日枝」あるいは「比叡」などと書かれていたが、平安時代頃から好字の「吉」を当てた「日吉」も用いられるようになり、それに従って「ひよし」の訓みが併用されるようになった。鎌倉時代以降は「日吉」の表記が一般的になったという。

明治の神仏分離以降、「日吉神社」と書いて「ひえじんじゃ」と訓むのが正式名称とされた。さらに戦後、「日吉大社」と改称するとともに、訓み方も「ひよしたいしゃ」とされ、現在に至る。

境内には上七社・中七社・下七社の山王二十一社をはじめとして約40の社殿が鎮座する。最盛期には境内108社・境外108社があったという。中でも東西両本宮を中心とする上七社は山王七社とも呼ばれ、特に重視される。

東本宮に祀られる大山咋神は比叡山の地主神で、古事記には「この神は近つ淡海国の日枝の山(比叡山のこと)に坐し、また葛野の松尾に坐して、鳴鏑を用つ神ぞ」とある。神代より牛尾山(八王子山・小比叡)に鎮座していた。社伝によれば崇神天皇7年(B.C.91)の創祀とされる。

西本宮に祀られる大己貴神は、大津京遷都の翌年である天智天皇7年(668)、大津京鎮護の神として大和国の大神神社より勧請された。

都が平安京に移されると、その鬼門に当たることから都の魔除け・災難除けの社とされた。延喜の制では名神大社に列し、二十二社の一ともされた。

さらに伝教大師が比叡山に延暦寺を開いてからは、比叡山の鎮守・天台宗の護法神として格別の崇敬を受けるようになり、天台宗の拡大とともに全国各地に勧請された。比叡山の山法師が強訴をする際に、日吉大社の御輿を担いで都に乗り込んだのは有名である。

山王権現の名は、中国天台宗の本山・天台山国清寺に祀られていた山王元弼真君に因む。中世においては天台宗の教理と山王信仰が結びつけられた「山王一実神道」が説かれた。

元亀2年(1571)織田信長の比叡山焼き討ちにより当社も灰燼に帰したが、その後、豊臣秀吉らによって再興された。

明治の神仏分離によって延暦寺とは切り離され、境内の仏教施設は取り除かれた。また、それまで西本宮(大宮)の大己貴神が主祭神で、西本宮(二宮)の大山咋神は地主神として摂社の扱いであったが、もともと大山咋神が祀られていたということから大山咋神を主祭神とし、大己貴神は摂社の扱いとなった。昭和3年(1928)東西両本宮を対等として祭神二座とされ、現在に至る。

日吉大社の御朱印

日吉大社の御朱印 西本宮の御朱印 東本宮の御朱印
西本宮 東本宮
宇佐宮の御朱印 牛尾宮の御朱印 白山宮の御朱印
宇佐宮 牛尾宮 白山宮
樹下宮の御朱印 三宮宮の御朱印 日吉東照宮
樹下宮 三宮宮 日吉東照宮

1段目左が日吉大社の御朱印。中央の朱印は「日吉大社」、右上は御幣を持った神猿。
1段目中央から3段目中央までが山王七社の御朱印。順番に西本宮(大宮・大比叡大明神)、東本宮(二宮・小比叡大明神)、宇佐宮(聖真子権現)、牛尾宮(八王子権現)、白山宮(客人権現)、樹下宮(十禅師権現)、三宮宮(三宮権現)。日吉東照宮にも御朱印がある。

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日吉大社の概要

日吉大社 (ひよしたいしゃ)
名称 日吉大社
旧称 日吉社 日吉神社
御祭神 〈西本宮(大宮・大比叡)〉
大己貴神〔おおなむちのかみ〕
〈東本宮(二宮・小比叡)〉
大山咋神〔おおやまくいのかみ〕
〈宇佐宮(聖真子)〉
田心姫神〔たごりひめのかみ〕
〈牛尾宮(八王子)〉
大山咋神荒魂〔おおやまくいのかみのあらみたま〕
〈白山宮(客人)〉
菊理姫神〔くくりひめのかみ〕
〈樹下宮(十禅師)〉
鴨玉依姫神〔かものたまよりひめのかみ〕
〈三宮宮(三宮)〉
鴨玉依姫神荒魂〔かものたまよりひめのかみのあらみたま〕
旧称 日吉社 日吉神社 山王権現
鎮座地 滋賀県大津市坂本五丁目1−1
創建年代 伝・崇神天皇7年
社格等 式内社 二十二社 旧官幣大社 近江国二宮 別表神社
延喜式 近江國滋賀郡 日吉神社 名神大
例祭 4月12日〜14日(山王祭)
神事・行事 1月1日/大戸開神事(西本宮・東本宮)
2月3日/節分祭(東本宮)
3月1日〜4月12日/牛尾宮三宮宮献灯(牛尾宮・三宮宮)
3月15日/牛神楽祭(牛尾宮)
4月28日/唐崎神社春季大祭(唐崎神社)
5月2日/茶摘祭
5月26日/山王礼拝講(西本宮)
6月1日/東照宮例祭(日吉東照宮)
6月第1または第2水曜日/包丁まつり(西本宮)
7月28日・29日/みたらし祭(唐崎神社)
11月1日〜30日/もみじ祭
11月第2日曜日/講員大祭
11月24日/菊花祭表彰式(東本宮)
文化財 〈国宝〉西本宮本殿及び拝殿 東本宮本殿及び拝殿 〈重文〉西本宮楼門 東本宮楼門 摂社宇佐宮本殿及び拝殿 摂社牛尾宮本殿及び拝殿 摂社白山姫神社本殿及び拝殿 摂社樹下宮本殿及び拝殿 摂社三宮神社本殿及び拝殿 日吉三橋(大宮橋・走井橋・二宮橋) 末社東照宮 日吉山王金銅装御輿 〈史跡〉日吉神社境内 〈県有形文化財〉鳥居(山王鳥居)
巡拝等 神仏霊場149番
一の鳥居 二の鳥居
一の鳥居 二の鳥居
三の鳥居 早尾神社
三の鳥居 早尾神社
大宮橋 走井橋
大宮橋 走井橋
走井祓殿社 子安子立社と惣社
走井祓殿社 子安子立社と惣社

メモ
広大な神域に数多くの社殿が散在する。もともと八王子山(牛尾山・小比叡)を神体山とする東本宮系の信仰から始まったのであろうが、大神神社から勧請された大己貴神の西本宮、さらに天台宗との関わりにより、非常に興味深い重層的な信仰空間を作り上げている。
当社では日吉大社としての御朱印のほか、山王七社の御朱印もある。また、東西両本宮と宇佐宮・牛尾宮・白山宮については、印は同じだが法華三十番神としての墨書(大比叡大明神・小比叡大明神・聖真子権現・八王子権現・客人権現)でいただくこともできる。ネット上の情報では、樹下宮・三宮宮も十禅師権現・三宮権現でいただくことができるらしい。境外摂社の唐崎神社、末社の日吉東照宮でも御朱印を拝受できる。

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2012.04.18
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