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古今御朱印研究室

諸国神社御朱印集

吉備津神社
きびつじんじゃ

吉備津神社 (きびつじんじゃ)
御祭神 大吉備津彦命 〈相殿〉千千速比売命 大倭迹々日百襲比売命 日子刺方別命 倭迹迹日若屋比売命 日子寝間命 若日子建吉備津彦命 御友別命 中津彦命 〈外陣〉浦凝別命・弟彦命(東笏御崎神) 稲速別命・弟彦命(西笏御崎神)
鎮座地 岡山市北区吉備津931 (Mapion/googlemap
社格等 式内社(名神大) 備中国一宮 旧官幣中社 別表神社

吉備津神社の御由緒

孝霊天皇の皇子で四道将軍に任ぜられ、吉備国を平定して吉備臣の祖となったとされる大吉備津彦命を主祭神とし、その一族を相殿に祀る。大吉備津彦命が温羅を征伐した伝承は、桃太郎のモデルだとされている。鎮座地後背の吉備中山には大吉備津彦命の御陵とされる中山茶臼山古墳がある。

神社の創建については幾つかの説がある。一説には吉備津彦命の五代の孫・加夜臣奈留美命によるといい、一説には若日子吉備津彦命の三代の孫・稲速別命・御友別命・鴨別命によるという。あるいは仁徳天皇の創建になるとも伝えられる。

大化の改新で吉備国が備前・備中・備後に分けられると、備前と備後にも当社から大吉備津彦命の分霊を勧請した。備前の吉備津彦神社と備後の吉備津神社である。

古くから朝廷・武門の篤い崇敬を受け、承和14年(847)に従四位下、仁寿2年(852)四品を受けたのをはじめ、承平・天慶の乱の後には奉賽として一品を贈られている。延喜式では名神大社に列する。寛仁元年(1017)には後一条天皇の一代一度の大奉幣に預かった。

現在の社殿は足利義満の造営になるもので、応永32年(1425)約25年の年月をかけて完成したという。吉備津造りとも称される比翼入母屋造で、国宝に指定されている。その他、南随神門・北随神門・御釜殿などが重要文化財に指定されている。

御釜殿では名高い鳴釜神事が執り行われる。これは、吉備津彦命への祈願が叶うかどうかを、釜の鳴る音で占うものである。願いが叶うほど高く鳴るとされる。

境内社の本宮・内宮・新宮・岩山宮は正宮と合わせて吉備津五社明神と称する。本宮には大吉備津彦命のご両親である大倭根子日子賦斗邇命(孝霊天皇)と大倭玖邇阿礼比売命、さらに細比売神を祀る。内宮には大吉備津彦命の妃である百田弓矢比売神と百田大兄神を祀る。新宮の祭神は吉備武彦神である。本宮・内宮・新宮は本宮社に合祀されている。また、本宮・内宮は安産・育児の霊験で知られるという。岩山宮に祀られる建日方別神は吉備国の地主神であるという。

えびす宮は昭和46年(1971)の再興。江戸時代には広く信仰を集めていたが、明治になって官社に列した際、祭祀を中絶せざるを得なくなったが、信者の熱心な懇請により再興されたという。

参道の石段 本殿
参道の石段 本殿
一童社と祈願トンネル お竃殿
一童社と祈願トンネル お竃殿
岩山宮 本宮社
岩山宮 本宮社
瀧祭神社 大吉備津彦命御陵
瀧祭神社 大吉備津彦命御陵

メモ
初めての参拝時は、ちょうど屋根の葺き替え工事の最中で、国宝の本殿はすっぽりと覆いがされていた。ということで、工事の修復を待って再度の参拝。写真は大吉備津彦命の御陵のほかは二度目の参拝時のもの。
備前一宮の吉備津彦神社とは歩いて移動できる距離。初めての参拝時は吉備津神社から吉備津彦神社へ、二度目の参拝は吉備津彦神社から吉備津神社へ。途中、真言宗系の新宗教・福田海の本部がある。
境内には見るべき場所が多い。国宝の本殿は当然のこと、参道の松並木、矢置の岩、随神門、一童社の祈願トンネル、御釜殿等。
初回の参拝時は暑い夏の盛りであったが、徒歩で大吉備津彦命の御陵まで登り、さらにその先の神道山(黒住教の本部)も参拝した。
吉備津神社の神池には吉備国最古の稲荷という宇賀神社が鎮座する。元は宇賀弁天を祀る弁財天社だったと思われる。神仏分離後、宇賀弁天を祀る社は弁財天と同一視された市杵島姫命を祭神としたところが多いのだが、宇迦之御魂命を御祭神とした例は珍しいのではないかと思われる。
神池の畔には当地出身の犬養毅の銅像が建つ。犬養家の遠祖・犬養健命は大吉備津彦命の随神であったことから吉備津神社への崇敬の念強く、神社の護持に尽くしたという。そういえば、吉備津神社の社号標も犬養毅の揮毫である。その近くには「岡山県関係法務死殉国烈士顕彰之碑」がある。その意義を深く汲み取るべきと思う。

吉備津神社の御朱印

中央の墨書は「吉備津神社」。右上の朱印は「三備一宮」、中央の朱印は「吉備津神社印」。

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吉備津神社の概要

吉備津神社 (きびつじんじゃ)
御祭神 大吉備津彦命〔おおきびつひこのみこと〕
〈相殿〉
千千速比売命〔ちぢはやひめのみこと〕
大倭迹々日百襲比売命〔おおやまとととひももそひめのみこと〕
日子刺方別命〔ひこさしかたわけのみこと〕
倭迹迹日若屋比売命〔やまとととひわかやひめのみこと〕
日子寝間命〔ひこねまのみこと〕
若日子建吉備津彦命〔わかひこたけきびつひこのみこと〕
御友別命〔みともわけのみこと〕
中津彦命〔なかつひこのみこと〕
〈外陣〉
浦凝別命・弟彦命〔うらこりわけのみこと・おとひこのみこと〕(東笏御崎神)
稲速別命・弟彦命〔いなはやわけのみこと・おとひこのみこと〕(西笏御崎神)
旧称 吉備津宮
鎮座地 岡山市北区吉備津931
創建年代 不詳(仁徳天皇の御代等諸説あり)
社格等 備中国一宮 式内社 旧官幣中社 別表神社
延喜式 備中國賀夜郡 吉備津彦神社 名神大
例祭 10月19日
神事・行事 1月3日/矢立の神事
1月9日/えびす祭
3月13日/御誕辰祭
3月23日/本宮社祭
4月19日/御忌日祭
5月第2日曜日/春季大祭(七十五膳据神事)
6月27日/岩山宮祭
10月第2日曜日/秋季大祭(七十五膳据神事)
文化財 〈国宝〉本殿・拝殿(附:棟札明和六年・弘化二年) 〈重文〉南随神門 北随神門 御釜殿(二棟) 〈県有形文化財〉廻廊 木造狛犬 木造女神像2躯 行道面 大太刀(銘:備州長船秀幸) 大太刀(銘:備州長船法光) 高麗版一切経994巻 紙本墨書連歌1巻
公式サイト http://www.kibitujinja.com/

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2008.11.16
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