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古今御朱印研究室

諸国神社御朱印集

大神神社
おおみわじんじゃ

大神神社拝殿

大神神社 (おおみわじんじゃ)
御祭神 大物主大神 〈相殿〉大己貴命 少彦名命
鎮座地 奈良県桜井市三輪1422 (Mapion/googlemap
社格等 式内社(名神大・月次相嘗新嘗) 二十二社 大和国一宮 旧官幣大社 別表神社
公式サイト http://www.oomiwa.or.jp/

大神神社の御由緒

三輪明神と称するように、三輪山そのものを御神体とし、拝殿のみあって本殿を持たない。このように本殿を持たない神社というのは、他の旧官国幣社では信濃の諏訪大社と武蔵の金鑚神社のみであり、神社の古い形態を残していると考えられている。本殿の背後には、三輪鳥居と呼ばれる三ツ鳥居がある。

三輪山は三諸山〔みもろやま〕ともいい、古来「三諸の神名備〔かんなび〕」と称される。なだらかな円錐形の秀麗な姿をしており、古くから信仰の対象になっていた。山中には磐座〔いわくら〕などの祭祀遺跡があるという。大和でも特に古い神社の一つであり、朝野の尊崇を集めてきた。

記紀の伝えるところでは、少彦名神が常世の国に去った後、大物主大神が海を照らしながら現れて大己貴神(大国主命)に協力を申し出、三輪山に祀られたことを淵源とする。日本書紀によれば、大物主大神は大己貴神の「幸魂〔さきみたま〕・奇魂〔くしみたま〕」だという。

崇神天皇の御代、疫病が大いに流行った。大物主神が倭迹迹日百襲媛命〔やまとととひももそひめのみこと〕に神懸かりして託宣があったため、天皇は伊香色雄命〔いかがしこおのみこと〕に命じ、大田田根子〔おおたたねこ〕に大物主神を祀らしめた。これが大神神社の始まりである。大田田根子の子孫は三輪君〔みわのきみ〕(後に大神氏〔おおみわし〕)を称し、累代大神神社の祭祀を司った。

また、三輪山の神と人間の女性が婚姻関係を結ぶ三輪山伝説もよく知られる。(賀茂社でも同系統の説話が『山城国風土記』に残っている)。

以後、朝廷の崇敬篤く、奉幣・祈願もたびたびであり、貞観元年(859)には正一位に昇叙している。大和国の一宮とされ、二十二社にも列した。

奈良時代には神宮寺として大神寺〔おおみわじ〕(大三輪寺とも。後に大御輪寺〔だいごりんじ〕)が創建された。中世以降は慶円の開いた三輪別所に始まる平等寺が台頭し、大御輪寺にとってかわった。いずれも真言宗で、両部神道系の三輪流神道〔みわりゅうしんとう〕が行われていた。

しかし、明治の神仏分離で廃寺となり、堂塔の大半は破却された。ただ、大御輪寺の本堂は、内部に若宮を祀っていたことから、本尊・十一面観音像を聖林寺に遷し、摂社・大直禰子神社〔おおたたねこじんじゃ〕(若宮社)とされた。用材には奈良時代の創建当時のものも使用されているという。現在は国の重要文化財である。

なお、平等寺は後に曹洞宗の寺として再興された。また、末社の三輪成願稲荷は、同じく大神神社の神宮寺で尼寺だった浄願寺の跡に稲荷を勧請したものである。

大神神社の御朱印

大神神社の御朱印

中央上の朱印が「大和三輪山」、下は「大神神社」。

摂末社の御朱印

摂社・狭井神社の御朱印 摂社・檜原神社の御朱印 摂社・率川神社の御朱印
摂社・狭井神社 摂社・檜原神社 摂社・率川神社
末社・久延彦神社の御朱印
末社・久延彦神社

上段左から摂社・狭井神社、摂社・檜原神社、摂社・率川神社の御朱印、下段は末社・久延彦神社の御朱印。

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大神神社の概要

名称 大神神社
旧称 三輪明神
御祭神 大物主大神〔おおものぬしのおおかみ〕
〈相殿〉
大己貴命〔おおなむちのみこと〕
少彦名命〔すくなひこなのみこと〕
鎮座地 奈良県桜井市三輪1422
創建年代 伝・崇神天皇8年(B.C.92)
社格等 式内社 二十二社 大和国一宮 旧官幣大社 別表神社
延喜式 大和國城上郡 大神大物主神社 名神大 月次相嘗新嘗
大和國城上郡 神坐日向神社 大 月次新嘗 (摂社 神坐日向神社)
大和國城上郡 巻向坐若御魂神社 大 月次相嘗新嘗 (論:境外摂社 檜原神社
大和國城上郡 狭井坐大神荒御魂神社五座 鍬靫 (摂社 狭井神社
大和國城上郡 玉烈神社 (境外摂社 玉列神社)
大和國城上郡 綱越神社 (摂社 綱越神社)
大和國添上郡 率川坐大神御子神社 (境外摂社 率川神社)
大和國添上郡 率川阿波神社 (率川神社摂社 率川阿波神社)
例祭 4月9日(春の大神祭)
特殊神事 1月1日/繞道祭
1月15日/大とんど
2月6日/御田植祭(おんだ祭)・豊年講大祭
3月20日/植樹祭
4月1日前後の土日曜日/春の講社崇敬会大祭
4月18日/鎮花祭(薬まつり)
5月上旬/播種報告祭
6月17日/率川神社三枝祭(ゆりまつり)
7月31日/綱越神社おんばら祭
旧8月15日/観月祭
10月1日前後の土日曜日/秋の講社崇敬会大祭
10月24日/秋の大神祭
10月不定期/抜穂祭
11月14日/醸造安全祈願祭(酒まつり)
文化財 〈重文〉拝殿 三ツ鳥居 摂社大直禰子神社社殿 朱漆金銅装楯 紙本墨書周書巻第十九 〈史跡〉大神神社境内 〈県有形文化財〉勅使殿 勤番所 木造大黒天立像 聖観音毛彫御正体 高坏
巡拝等 神仏霊場21番
大鳥居 二の鳥居
大鳥居 二の鳥居
摂社・磐座社 巳の大杉
摂社・磐座社 巳の神杉
祈祷殿 摂社・若宮社(旧大御輪寺本堂)
祈祷殿 摂社・若宮社(旧大御輪寺本堂)

メモ
境内を日本最古の道といわれる「山辺の道」が通る。大神神社参拝を目的とする人ばかりではなく、山辺の道を歩く途中に訪れる人も少なくないようだ。その一方で、三輪山もしくは大神神社に対する独自の信仰を持っているような参拝者も見受けられる。霊的な力の強い場所ということなのであろう。
そういうことを抜きにしても、いかにも古からの聖地という風格を備えた神域である。
ただ、訪れる人が多い上に、独自の信仰を持った方には長くお祈りをされる人が多いので、写真を撮るタイミングが難しい。内心イライラしないでもないが、神社の写真を撮るのとお祈りするのとどちらの優先順位が高いかと自分に言い聞かせながら待つ。
山辺の道を北に歩くと三輪山沿いに摂末社が点在する。摂社の狭井神社檜原神社、末社の久延彦神社で御朱印をいただくことができる。また、奈良市内にある摂社の率川神社にも御朱印がある。

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2007.04.15
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