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古今御朱印研究室

諸国神社御朱印集

金刀比羅宮
ことひらぐう

金刀比羅宮拝殿

金刀比羅宮 (ことひらぐう)
御祭神 大物主神 〈相殿〉崇徳天皇
鎮座地 香川県仲多度郡琴平町892−1 (Mapion/googlemap
社格等 国幣中社 別表神社
公式サイト http://tamurajinja.com/

金刀比羅宮の御由緒

讃岐の国・象頭山に鎮座する。全国各地に祀られる「こんぴらさん」の総本宮である。

社伝によれば、三千年ほど前、大物主神がこの地に鎮まったことに始まり、往古は琴平神社と称したという。中世、本地垂迹説によりインドのガンジス川の鰐神クンビーラ(金比羅・十二神将の一である宮毘羅大将)と習合し、金毘羅大権現と呼ばれるようになったという。また、讃岐に配流された崇徳上皇は当社の尊崇厚かったことから、永万元年(1165)本殿に祀ったとされる。

歴史的には、元亀4年(1573)の棟札に象頭山松尾寺内の金毘羅堂が建立されたことが記されており、これを初見とする。金毘羅神は王舎城の守護神であったという伝承があり、釈迦如来を本尊とする松尾寺の伽藍鎮守神として祀られたものであろう。

この時から江戸時代の初期にかけて、別当金光院の尽力や、塩飽諸島の船乗りにより、金毘羅信仰は全国に広がった。生駒氏・松平氏が社領を寄進、慶安元年(1648)には天領となる。後水尾天皇をはじめ朝廷の崇敬も深く、また、庶民の金毘羅参詣も非常に盛んで、短期間の内に全国屈指の霊場として信仰を集めるに至った。

しかし明治の神仏分離に際し、松尾寺は廃寺とされ、金光院別当は復飾して神職となり、大物主神を御祭神とする神社となった。廃仏毀釈の嵐はすさまじいもので、多くの仏像・仏具が廃棄されたという。因みに現在の旭社は元の松尾寺本堂、書院は松尾寺の本坊・金光院であった。なお、松尾寺の法灯は塔頭の普門院に受け継がれ、現在に至っている。

明治4年(1871)金刀比羅神社として国幣小社に列格、同18年(1885)国幣中社に昇格、同22年(1889)金刀比羅宮と改称。

全国各地に金刀比羅宮の御分霊を祀る神社は多い。また、出雲・神戸・松山・尾張・鳥羽・東京に直轄の分社(境外末社)がある。昭和41年(1966)には全国のことひら講を基盤として金比羅本教が設立された。

今も航海安全をはじめとする信仰は厚く、絵馬堂には漁船からタンカーまで、さまざまな船から奉納された絵馬が掲げられる。中には宇宙船の絵馬(ソユーズとTBSの秋山氏)まである。〈四国八十八ヶ所へ

金刀比羅宮の御朱印

金刀比羅宮御朱印 白峰神社御朱印 奥社・厳魂神社御朱印
白峰神社 奥社・厳魂神社

左端が本社の御朱印。中央の朱印は「金刀比羅宮印」、左上は「琴平山」。金刀比羅宮では、境内社の白峰神社(中央)・厳魂神社(右)でも御朱印を拝受できる。

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金刀比羅宮の概要

名称 金刀比羅宮
旧称 象頭山松尾寺金光院 金比羅大権現 琴平神社
御祭神 大物主神〔おおものぬしのかみ〕
〈相殿〉
崇徳天皇〔すとくてんのう〕
鎮座地 香川県仲多度郡琴平町892−1
創建年代 不詳(伝・約三千年前)
社格等 国幣中社 別表神社
例祭 10月9〜11日
神事・行事等 1月5〜7日/忌籠神事
1月6日/厳魂神社大祭
1月10日/初十日祭(初こんぴら)
1月11日/御稽古始式
3月8〜10日/大祈願祭
4月1日/旭社大祭
4月10日/桜花祭
4月15日/御田植祭
5月5日/子供祭(奉納蹴鞠)
5月10日/三保津姫社大祭
7月第3月曜日(海の日)/こんぴら海上安全特別大祈願祭
8月26日/相殿祭・白峰神社大祭
旧7月7日/索餅大祭
9月8日/潮川神事
10月1日/氏子祭
11月10日/紅葉祭
文化財 〈重文〉奥書院 旭社(附:棟札2枚) 表書院及び四脚門 絹本著色弁財天十五童子像 紙本著色なよ竹物語絵巻 紙本墨画竹林七賢図(応挙筆) 紙本墨画瀑布及山水図 紙本墨画遊鶴図 紙本墨画遊虎図 木造十一面観音立像 太刀(銘:長光) 短刀(銘:筑州住国弘作) 太刀(銘:備州長船〈以下不明〉明徳□年□月・附:糸巻太刀拵) 伏見天皇宸翰御歌集(百首) 〈重要有形民俗文化財〉金比羅庶民信仰資料(1725点) 〈名勝〉象頭山 〈天然記念物〉象頭山 〈県有形文化財〉紙本著色金比羅祭礼図六曲屏風 紙本金砂子地著色百合の図(伊藤若沖筆) 紙本金地著色若松の図(岸岱筆) 紙本金地著色花菖蒲に水禽の図(岸岱筆) 紙本金地著色群蝶の図(岸岱筆) 紙本金地著色柳に白鷺の図(岸岱筆) 太刀(銘:定利) 太刀(銘:助真) 刀(銘:肥前国忠吉) 紙本墨書保元物語 紙本墨書平治物語 〈県無形民俗文化財〉蹴鞠
巡拝 さぬき十五社(13番)
随神門 表書院(旧・松尾寺本坊金光院)
随神門 表書院(旧・松尾寺本坊金光院)
旭社(旧・松尾寺本堂) 本社前の石段と鳥居
旭社(旧・松尾寺本堂) 本社前の最後の石段
絵馬殿 本殿
絵馬殿 本殿

メモ
金比羅権現を大物主神と同一視する説は『四国徧礼霊場記』にも見える。つまり、江戸時代の初めにはそういう説が流布していたということであり、ネット上などで、明治の神仏分離に際し、金毘羅大権現とは無関係の大物主神を祭神とした云々という言説を見かけるが、まったくの誤りであって、不当な中傷といわざるを得ない。とはいえ、もともと大物主神を祀る神社があったという説も史実とは見なしがたい。
私自身は、子どもの頃、毎年1月2日に親族揃ってバスで金比羅さんにお参りしていたことから、非常に親しみがある。当時、大人たちは人が多い表参道を避けて、裏参道から登るため、(土産物屋の多い)表参道を上るのがあこがれだったものである。
金刀比羅宮では御本社の他、奥社・厳魂神社とその途中に鎮座する白峰神社でも御朱印をいただくことができる。

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2008.07.06
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