墨書は「信濃国一之宮 諏訪大社 下社秋宮」。中央の朱印は「諏訪下社」、右上は「信州一宮」。
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神楽殿
諏訪大社 下社秋宮 (すわたいしゃ しもしゃ あきみや) | |
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御祭神 | 建御名方神〔たけみなかたのかみ〕 八坂刀売神〔やさかとめのかみ〕 〈配祀〉 八重事代主神〔やえことしろぬしのかみ〕 |
鎮座地 | 長野県諏訪郡下諏訪町上久保5828 (Mapion/googlemap) |
創建年代 | 不詳 |
社格等 | 信濃国一宮 旧官幣大社 別表神社 |
由緒 | 古くより東関第一の軍神として朝廷・武門の崇敬を受けた諏訪大社は、諏訪地方一円を氏子とし、諏訪湖をはさんで上社・下社が鎮座する。上社は本宮〔ほんみや〕と前宮〔まえみや〕、下社は秋宮と春宮〔はるみや〕から成り、さらに境内・境外に60余の摂末社がある。 御祭神は建御名方神とその妃・八坂刀売神だが、古くから上社に建御名方神、下社に八坂刀売神を祀るという伝承があり、諏訪の七不思議の一つ、諏訪湖の御神渡り〔おみわたり〕は建御名方神が八坂刀売神のもとへ通った道筋とされる。建御名方神は大国主命と高志沼河姫命の御子神で、国譲りの神話において諏訪に鎮座した由縁が語られている。また、下社には建御名方神の兄神である八重事代主神が配祀されている。 上社では諏訪氏が大祝を務めたのに対し、下社は金刺氏が大祝を務めた。しかし戦国末期に断絶し、その後は氏族の今井氏が武居祝を称して祭祀を継承した。徳川家からは上社に千石、下社に五百石の朱印領が寄せられている。 下社では半年ごとに御祭神が秋宮と春宮を遷座する。8月1日に春宮から秋宮へ、2月1日に秋宮から春宮への遷座祭が行われる。特に8月1日の遷座祭は下社の例大祭であり、芝舟の曳航があることから「お舟祭」と称される。 下社の秋宮・春宮は上社本宮と同じく本殿がない。拝殿の奥には御宝殿があり、その奥にあるご神木を御神体としてお祀りする。秋宮のご神木は一位(イチイ)の木である(因みに春宮は杉である)。 秋宮の拝殿・片拝殿は初代立川和四郎富棟が棟梁を務め、春宮の棟梁を務めた柴宮長左衛門と腕を競ったものである。また、巨大な注連縄のかかる神楽殿は二代立川和四郎富昌が棟梁を務めている。 |
例祭 | 8月1日(お舟祭) |
神事・行事 | 1月1日/綿之湯神事 2月1日/遷座祭 6月30日/御作田社祭・田遊神事 8月1日/遷座祭 8月2日/翁媼焼却神事 8月27日/御射山社祭・相撲神事 12月28日/煤払神事 ※式年造営御柱大祭(寅・申の年) |
文化財 | 〈重要文化財〉賣神祝印 幣拝殿・左右片拝殿・神楽殿 〈県史跡〉青塚古墳 〈県無形民俗文化財〉御柱祭り |
公式サイト | http://suwataisha.or.jp/ |
メモ | 諏訪湖を見おろす高台に鎮座する。参拝は9月初めの休日ということで、上社本宮に劣らず多くの参拝客で賑わっていた。 境内に入ると、千尋池やネイリの杉、御神湯などがある。千尋池の底は遠州浜松の近くの海につながっていると伝えられている。 ネイリの杉は樹齢6、700年といわれるご神木で、枝が垂れて寝ているように見えることから「寝入りの杉」だとも、杉の挿し木に根が生えたものなので「根入りの杉」だともいわれる。丑三つ時になると枝先を下げて寝入り、いびきが聞こえることもあるという。小枝を煎じて子どもに飲ませると、夜泣きが止んでよく眠れるようになると伝えられる。 また、境内には温泉が湧き出しており、御神湯・温泉手水となっている。飲用はできないようだが、温泉街らしい風情である。 社殿の周囲には四本の御柱が建っている。 |
大鳥居 | 千尋池 |
御神湯(温泉手水) | 根入り(寝入り)の杉 |
皇大神宮社・若宮社・稲荷社 | 拝殿 |
墨書は「信濃国一之宮 諏訪大社 下社秋宮」。中央の朱印は「諏訪下社」、右上は「信州一宮」。
2010.06.30
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